幼児期

3歳の登園しぶりにその関わりは逆効果!笑顔の登園に変える関わり方

この記事は「登園しぶりシリーズ」3歳児編です

「また今朝も泣いちゃった…」
「あれ?もう慣れたと思っていたのに…」

涙で訴えるわが子を引き剥がすように保育園へ連れて行き、後ろ髪を引かれながら仕事へ向かう。そんな朝がしんどい時はありませんか?

「もしかして私の育て方が悪いの?」
「この子、園が合わないのかな?」
と心配を募らせてしまう日もあるかもしれません。

でも、大丈夫!

 結論  

3歳の登園しぶりは、急激な言語発達と母子分離の個人差が関係しており、発達上ごく自然な反応です。

みま
みま

保育士歴19年・3児の母のMIMAです。保育現場で何十という「登園しぶり」を見てきた経験から、3歳特有の発達的な背景と、明日の朝から試せる具体的な対応法をお伝えします。

この記事では

3歳の登園しぶりは"発達の当然"だった

分離不安のピークは0〜2歳…でも3歳にもある理由

ママと離れることへの不安(分離不安)は、一般的に1歳半頃がピークとされています。ですから、「3歳になったら卒業しているはず」と思いますよね。

ところが、この不安の消え方には大きな個人差があります。ある研究データでは、約7%の子どもが就学前期を通じて不安が高い状態のまま過ごすという結果も報告されています(※1)。

つまり「3歳だから終わっているはず」というのは思い込み。入園という新しい環境の変化が重なることで、不安が再燃するのは十分ありえることですし、なかには6歳頃までゆっくり時間をかけて克服していく子もいるのです。

専門的な指標でも、「子どもは『ママは必ず戻ってくる』という体験を積み重ねることで、少しずつ学んでいく(※2)」とされています。焦らず、その体験を一つずつ貯金していくことが何もっとも大切です。

みま
みま

焦らず、体験を積み重ねていくことが何よりも大切です。

自己主張の急成長と「嫌だ!」の爆発

0〜2歳の子どもは「泣いて」訴えます。でも3歳は違います。

「行きたくない!」
「ヤダ!」
「ママといる!」

そう、言葉でまっすぐ訴えてくるのが3歳の特徴です。

2歳後半〜3歳は「語彙爆発」と呼ばれる時期で、使える言葉が急激に増えます。同時に「自分はこうしたい」という自己主張も急成長します。これは脳が育っている証拠。「嫌だ!」と言えるようになったこと自体は、成長のサインなのです。(※2)

ただ、気持ちをコントロールする前頭前野(ぜんとうぜんや:おでこの裏にある、我慢や判断を司る脳の部分)はまだ発達の途上。「行きたくない」という気持ちが芽生えても、「でも行ってみようかな」と切り替えることがまだ難しい時期です。

保育士の目線:3歳の「行きたくない」は何を意味するか

保育現場で19年間、数えきれないほどの「行きたくない!」を見てきました。

その子たちに共通していたのは、「保育園が嫌い」なわけではなかったということ。

お昼になれば夢中で遊んでいる。給食をモリモリ食べている。おやつの時間は笑顔になる。それでも翌朝になるとまた泣けてしまう。「じゃあなんで泣くの?」——その答えは次の子どもの本音セクションにあります。

いつまで続く?登園しぶりの「3つのパターン」

母親が腕を組んで、いつまで登園しぶりが続くのか悩んでいる画像。

①入園直後タイプ(1〜2か月で落ち着く)

最も多いパターンで、新しい環境に慣れるまでのごく自然な反応です。環境・先生・お友達すべてが初めてで、慣れるまで不安が出ます。また園の生活の流れやリズムが体に染み込み、「ここは安全な場所」「次は○○する時間だ」と体験できてくると、自然と落ち着いていきます。

②繰り返すタイプ(GW明け・運動会後など)

一度落ち着いたのに、またしぶりが始まった……というケースです。GW明け・夏休み明け・運動会や発表会の直後など、生活リズムや環境が変わるタイミングで再燃しやすいのが特徴です。

これは、お休み中に心の充電が満タンになった証拠です。安心できる場所(家庭)があるからこそ、外の世界(園)に行くのが少しだけ寂しくなってしまう。健全な甘えのサインでもあります。

決して「逆戻り」ではなく、子どもなりに「今の自分」と「園の生活」を調整しようとしている大切なステップです。。繰り返すたびに、子どもの適応力は確実に育っていきます。

③長期化タイプ(要注意サインとは)

1か月以上激しく泣き続ける、お腹が痛い・頭が痛いなどの身体症状が出るといった場合は、園の先生や保健師・かかりつけ医に様子を伝え、相談してみましょう。

環境面(クラスの人間関係)や特性(感覚過敏・繊細さ)が関わっていることもあります。「様子を見すぎる」よりも、その子に合ったサポートが必要なサインかもしれません。早めの相談が、親子の安心を助けます。

子どもの本音を翻訳すると…

子どもの「行きたくない」を大人の言葉に翻訳してみると、こんな声が聞こえてきます。

💭 子どもの本音
「ママとバイバイするのが怖いんだ。ちゃんと迎えに来てくれるか、ドキドキしちゃうんだもん」

💭 子どもの本音
「保育園の朝って、急にひとりになる感じがして心細いんだよ。まだ知らない子もいるし、疲れちゃうの」

💭 子どもの本音
「眠たいのに"早く!早く!"って急かされると、イヤになっちゃう。もっとおうちにいたいよ」

みま
みま

保育園でよく見るのが、朝は激泣きなのに、お迎えのときには「まだ遊びたい!」と言う子。その姿を見ると「あ、ちゃんと楽しめてたんだな」とわかります。泣くのは園に「行きたくない」じゃなくて、お家の人がまた「ちゃんと来てくれる?」という確認なんです。

やりがちだけど逆効果なNG対応3選

母親が口を両手でふさぎながら、わが子への対応に困っている。右には渋ってしゃがみこむわが子。左は笑顔でバイバイするわが子。

1.「頑張れ!」と背中を押す

何とか励ましてあげたい気持ちはよくわかります。でも、これが逆効果になることがあります。

不安が強い子どもの研究で、周りの大人が「子どもの感情をそのまま認めて言葉にしてあげること」が、不安の解消に大きく関わっていると示されています(※3)。

「頑張れ」「大丈夫」という言葉は、実は子どもの「怖い・不安」という気持ちを、意図せずして「そんなこと感じちゃダメ」と打ち消すメッセージに受け取られがちなのです。

代わりに試してほしいのが、気持ちをそのまま受け止める言葉をかけることです。

「ママと離れるの、さびしいよね」「怖いんだね」と子どもの言った言葉や気持ちをそのまま言葉にしてあげるだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じて少しずつ落ち着きを取り戻せます。

2.「すぐ迎えに来るからね」と約束する

泣き止ませたくて「すぐ来るから!」と言ってしまう——気持ちはすごくわかります。

でも3歳の子どもは「すぐ」の時間感覚がまだあいまいです。「すぐって、昼ご飯の前?お昼寝の後?」と混乱してしまい、「ちゃんと来てくれる?」という不安が解消されないことがあります。

「長い針が6になったらお迎えに来るよ」「給食を食べ終わったら来るよ」など、子どもがイメージできる具体的な目安を伝えてあげてください。

こっそり去る

「泣いている間に見えなくなれば諦めるかも」——そう思ってそっと離れた経験はありませんか?

実は、これがうまくいく子もいますが、敏感な子には最も避けてほしい行動です。

専門機関の指針では、「こっそり去ることは、子どもに『ママはいつ消えるかわからない』という恐怖を植え付け、かえって分離不安を悪化させる(※4)」とはっきり述べられています。

また、子どもは大人の反応をよく見ています。親が動揺したり申し訳なさそうにしたりすると、子どもの不安も連動して高まってしまうのです。子どもは親の感情を実はしっかり受け取って、モデリングしているのです。

必ず笑顔で「行ってくるね」と伝えてから、気落ち良く離れましょう。

保育士19年が実践してきた気持ちよくバイバイできる「朝の3ステップ」

園の教室で登園時に、母親と女の子がハイタッチでバイバイしている。女の子は「いってらっしゃい!」と2人とも気持ちよい笑顔。

ステップ1. お別れのスキンシップ(儀式)をとる

「ママは必ず戻ってくる」という安心感。この心の土台(安全基地)を作るには、毎日の繰り返しの体験が欠かせません(※5)。

そのために有効なのが、毎朝同じ手順でお別れをする「儀式」です。専門機関でも推奨されている方法で、保育現場でもその効果を何度も実感してきました(※2)。

  • ハイタッチをして「いってらっしゃい!」
  • てのひらにちゅっとして「ポケットにしまっておいてね」
  • 「握手でバイバイ、またあとで!」と子どもの両手を握り歌う

毎朝同じスキンシップ(儀式)があることで、子どもは「この後ママは行くけど、必ず戻ってくる」という流れを体で覚えていきます。

みま
みま

以前担当していた3歳の男の子。お母さんが「魔法のパワーを入れるよ!」と言いながら握手。最初は泣きながら握手していたのが、1か月後には「今日のパワーちゃんともらった!」と自分から笑顔でバイバイできるようになったんです。

ステップ2.「いつ迎えに来るか」を具体的に伝える

「お仕事が終わったら来るよ」より、「給食を食べて、お昼寝して、起きたらお迎えに来るね」のほうが子どもには伝わります。

3歳は「時計の時間」よりも自分に起きる「生活の流れ」でイメージができます。登園前に一日の流れを一緒に確認する習慣をつけると、子どもの中に「見通し」(この後どうなるかのイメージ)が育ち、不安が和らいでいきます。

ステップ3.笑顔で先生へ引き継ぎ、笑顔でその場を去る

お別れの後、心配でついその場いたくなったり、何度も振り返りたくなりますが、実は逆効果になることも。親がためらって立ち止まる姿に、子どもは「僕の気持ち聞いてくれる?」「もしかして帰れる?」と期待し、反って泣きが強まってしまうことがあるからです。

笑顔で先生に挨拶をし引き継いだら、短くはっきり「行ってくるね!また来るよ!」と伝えてスッと離れましょう。専門機関の指針でも、お別れをダラダラと長引かせず、親が「ここは安全だからね」と確信を持って笑顔で去ることが、子どもの何よりの安心につながるとされています(※6)。子どもは親の感情をモデリングしています。親に不安があれば子どもも不安になりますし、親が笑顔なら「別れても、大丈夫なんだ」と笑顔で離れることを学んでいけるのです。

みま
みま

登園時の泣きが続くお子さんをみていくと、別れ際の親御さんの心配そうな顔が見られることも。大好きなパパママのスッキリ笑顔が、子どもの気持ちの安定につながっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 泣いていても登園させていいの?
A. もちろん、大丈夫です!ただし「泣いていても園に慣れる」のは、園が安心できる場所だと子どもが体験できていることが前提です。先生への引き継ぎを丁寧に行い、お迎え後に「今日どうだった?」と笑顔で確認するなど、子どもの楽しさを確認する気持ちでいてくださいね。

Q2. 慣らし保育が終わっても続くのは異常?
A. 異常ではありません。慣らし保育の「終了」はあくまで保育時間の目安であり、心の適応のゴールではないからです。子どもによって慣れるペースは全く違います。慣らし保育では順調でも、本格的に預けだしたら朝の泣きが強くなることもよく見られます。親御さんと別れる時間という理解力が進んだことや、仕事の復帰など慌ただしい雰囲気を子どもなりに不安に感じる場合も。親子でゆっくり慣れていきましょう。

Q3. 幼稚園と保育園で違いはある?
A. 登園しぶりの発達的な背景に違いはありません。ただし幼稚園は年少からの入園が多く「初めての集団生活」と重なりやすいという状況の違いはあります。どちらの場合も、今回お伝えした3ステップが有効です。

Q1. 3歳の登園しぶりは発達的に異常ですか?
A. いいえ。分離不安(大切な人と離れることへの不安)は生後7〜9か月に始まる発達上の正常なプロセスで、3歳の入園タイミングに再燃することもよくあります(バッタリア(Battaglia et al.), 2016)。家庭での個別の関わりから、集団にはじめて入る切り替えに時間がかかるのは、当然とも言えます。みんなが通る道なので、心配し過ぎず笑顔で登園しましょう。

Q2. 「頑張れ」「大丈夫」と励ますのはよくないですか?
A. 逆効果になることが多いです。不安の強い子どもを持つ親ほど「感情を認めて言語化する関わり」の頻度が低いことが研究で示されています。子どもの発した気持ちを「そのまま受け止める言葉がけ」のほうが有効です(ハレル(Hurrell et al.), 2017)。

Q3. いつまで続きますか?
A. 多くは入園後1〜2か月で落ち着きますが、GW明けなど環境の変化で繰り返すパターンもあります。1か月以上毎日激しく続くなど心配な場合は園の先生や専門家に相談することもおすすめします。

みま
みま

登園しぶり、本当につらいですよね。でも保育士から見ると、泣きながらでも毎日来てくれる子どもたちって、本当にたくましいんです。あなたもわが子も、毎日ちゃんと頑張っています。

まとめ:「行きたくない」は成長のサインです!

母親と女の子が家のリビングのソファーの上で、ギュッとほほをくっつけ合い、笑顔でリラックスしている光景。

「行きたくない!」と泣ける子は、それだけお家の方との愛着関係が育ったということ。また、お家が安心できる場所なんだと、しっかり分かってきている証拠でもあります。

この時期の不安な気持ちは、ずっと続く訳ではありません。どうしてそのような気持ちになるのかを知って、時間がある時には、その気持ちをまるごと「ギュ」と包んであげましょう。その心地よさは、子どもに「がんばったね!」のメッセージとして届き、いつの日か笑顔の「がんばってくるね」につながっていきます。

毎朝どんな状況でも…子どもと園に向かう姿は、まさにステキな親子です。泣ける日があっても、たとえそれが続いたとしても……、毎日の笑顔の「バイバイ」は必ず子どもの心に届いています。「安心して大丈夫だよ」その思いをじっくり伝えていきましょう。

📚 参考文献

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保育士 MIMA

保育士歴19年×3児の母。福祉全般を学んだ学生時代は、子どもキャンプの運営やグループワークの実践、またボランティアで少年院から障害のある方まで幅広い人たちと交流。児童養護施設での勤務を経て、現在は保育園保育士として、日々子どもたちに向き合い続けています。「どんな人も輝く自分へ」その思いは今も変わりません。