《ようこそ》あなたが輝けば、子どもも輝く。日常のささやかな幸せを一緒につないでいきましょう。

【学童期】小学3~4年生に多い友達トラブルとは?発達に合わせたサポート方法

小学3〜4年生になると、友達との関係性が「グループ」や「仲間意識」を中心としたものへと変化していきます。
幼少期の「一緒に遊ぼう」から、「誰と一緒にいるか」「どのグループに所属しているか」が重要になる時期です。

そんな中で、「仲間外れにされた」「あの子がルールを破った」「もうあの子とは遊ばない」など、対人関係のトラブルも複雑化してきます。
親としても、何をどこまで関わっていいのか悩むこともあるでしょう。

この記事では

・小学3~4年生の頃に起きやすいトラブルと、それが起こる発達的理由について解説します。
・発達段階を踏まえたサポート方法を知ることで、子どもの社会性を育む土台を一緒に育てていきましょう。

この時期の発達の特徴

小学3〜4年生の時期は、仲間関係が深まり、自我が育つ時期です。
この時期の子どもたちは、友達関係の質が「広く浅く」から「深く・継続的」に移行する時期です。
子どもは、特定の友達との関係を大切にし始め、グループを意識するようになります。

また、他者の視点に立つ力(視点取得能力)や、ルール・公正さに対する意識も高まる一方で、感情のコントロールや、状況に応じた柔軟な対処はまだ未熟です。
このギャップから、トラブルを深刻に感じたり、感情的になりやすくなるのがこの時期の特徴です。そのため、グループ内での衝突や関係性のゆらぎが目立ちやすくなります。
一方で、「協力する」「助け合う」など、社会性の土台が育まれる大切なタイミングでもあります。

発達上のポイント

  • 特定の友達と強い結びつきを持ち、「グループ内の一員であること」を意識し始めます。
  • 自分なりのルールや価値観を重視するようになり、親や先生の目から離れた“子ども社会”が形成されていきます。
  • 友達の気持ちを推測する力は高まってきますが、感情のコントロールや客観視する力はまだ育成途中です。

3~4年生に起こりやすいトラブルとその背景

1.グループ内の対立や排他行動

:「入れてもらえなかった」「仲間外れにされた」「話してくれなくなった」

この時期は、「仲良しグループ」や「内輪感」が強くなるため、集団の中での立ち位置に敏感になります。
友達との関係が「遊ぶ仲間」から「自分の一部」のような存在になってくるため、関係のちょっとした変化にも不安を感じやすくなります。

背景

  • 所属意識と排他性の混在(=仲間意識が強まるが、異なる考えを受け入れる柔軟さはまだ未発達です)
  • 他者との比較や優劣への敏感さも出てきます

2.ルールをめぐる衝突


●例:「○○くんが勝手にルールを変えた」「約束を守ってくれなかった」

3〜4年生は**「公正さ」や「決まりを守ること」への意識が高まり、正義感が強くなる時期**です。
そのため、ルール違反に強く反応したり、自分なりの正しさを押しつけてしまうことがあります。

背景

●自分の視点を「絶対的な正しさ」として捉えがちです
●規範意識の芽生えと表現や言語力の未熟さがあります(=「みんなで決めた」ことには従いたいが、柔軟な対話の力はこれからなため、想いをうまく伝えられないことも)

3.モノをめぐるトラブルや軽い暴力的な行為

  • 例:「勝手に使われた」「物を取られた」「叩かれた・けられた」

物の貸し借りや、私物へのこだわりが強くなる時期でもあります。
小さな出来事でも、本人にとっては深く傷つくこともあります。

背景

  • 自分のもの・他人のものの区別へのこだわりがでてきます
  • 「ムカついた」「うまく言えなかった」など、感情コントロールの未熟さもまだ目立ちます
  • 感情をうまく表現できない時に、強い行動(=手が出るなど)につながることも

子どものトラブル!大人にできるサポート法

① 否定せず、最後まで話を聴く

「そんなことで?」と思っても、まずは子どもの感じたことに寄り添いましょう。
▶️「それはイヤだったね」「他のみんなはどんな風に思ってたかな?」など、感情の整理をサポート。

② “どうすればよかったか”を一緒に考える

自分の振る舞いや相手の立場を一緒に振り返ることで、自己理解・他者理解の土台が育ちます。
▶️「今度はどうしたい?」「違う言い方があったかな?」

③客観的視点をアドバイスする

子ども自身の考えや想いを受け止めた後に、まだ育っている途中の客観的視点を補ってあげましょう。
▶️「相手は、こんなふうに感じたのかもよ」「こう考えることもできるよ」

MIMAポイント!
子どもがトラブルで辛そうにしている姿を見ると、「それは”ひどい!」「相手が悪いんじゃない?」と、大人の方がつい感情的になってしまうこともありますよね。

子どもの気持ちに寄り添い、共感していく力は大切です。けれど、この時期の子ども自身がしっかり成長するために本当に必要なことは、大人側の「受けとめ見守る姿勢」です。

大人側が、”きっとこうだったに違いない”と決めつけたり、子どもの感情に同調して怒ったり悲しんだりし過ぎると、子どもの成長や気づきを奪ってしまうことがあります。”相手が悪い”で終わらせてしまえば、子どもは自分の感情や行動を振り返る機会を失ってしまうのです。

トラブルが起きたときは、「客観的に物事を見て学ぶチャンス!」や、どう解決したらよかったのか?を考える「対人スキルを伸ばすチャンス!」と捉えていきましょう。

大切なのは、子どもの想いは「○○は~そう思ったんだね。」としっかり受け止めますが、「相手にも理由があるかもよ…」「相手の、その時の想いって何だろうね?」など、子どもと相手を対等な距離に立つ努力をし、子ども自身の視点を広げられるサポートをしましょう。

そうやって、大人と一緒に整理していく過程こそが、子どもの社会性を育む確かな土台となるのです。

④ 必要なら学校と連携を

長引くトラブルや心身への影響が大きい場合は、担任やスクールカウンセラーへ相談しましょう。
学校や友達を責める気持ちではなく、「疑問を解決したい」という視点で相談していくことが大切です。
▶️「大人が見守ってくれている」と感じられることで、子どもは安心しやすくなります。

🍀 終わりに:自分らしく、他者とつながる力を育むために

グループ内での行き違いや対立は、3〜4年生にとって「社会で生きる力」を育む大切な経験です。
この時期の子どもたちは、自分の立ち位置や価値観を模索しながら、少しずつ「人とどう関わるか」を学んでいくタイミングにいます。

親にできるのは、すぐに答えを教えるのではなく、「一緒に考えていく」姿勢で寄り添うこと。
そうした関わりの中で、子どもは自分で人間関係を築く力を身につけていきます。

「困ったときに“戻れる場所”として、大人がそばにいる」
それが、この時期の子どもにとって最大の安心と支えになります。
トラブルは考える力や対人スキルを育てるチャンス!と捉えて、親子で一緒に乗り越えていきましょう。

    • この記事を書いた人
    • 最新記事

    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。