幼児期

【登園渋りシリーズ】年齢別に見られる原因と関わり方ガイド

朝の忙しい中、子どもを保育園や幼稚園へ送ろうとしたとき

「行きたくない」と言われたり
ましてや大きな声で泣かれてしまい…

「これが成長のひとコマだ…」

そう、頭ではわかっていても
どう接すればよいのか悩んでしまうことはありませんか。

私は保育士としてだけでなく、3児の母としてわが子に向き合うなかで、
わが子の登園渋りも経験し、悩んだこともありました。

結論、解決には子どもの言葉に寄り添うだけでなく、
親自身の気持ちに向き合うことや、子どもの本音に気づき、向き合うことが解決の近道です。

みま
みま

児童養護施設や少年院、保育園など様々な現場を経験してきた保育士歴19年×3児ママが、失敗をいっぱいしたからこそ学んだ、「子どもにとって本当に大切な事」を分かりやすく紹介しています。

この記事では

・登園渋りの年齢別理由と心理背景
・親と子が共に安心できる声かけや行動のポイント
・登園渋りから脱却した事例3つ
を発達心理の視点や実例を交え、分かりやすく説明します。

🌿【年齢別】登園しぶりが起きる発達的理由と安心できる関わり方

子どもの年齢や発達段階によって、登園渋りの理由は異なります。
以下に、代表的な年齢別の特徴とその背景をまとめました。

親として思いやりいっぱい対応したことが、実は子ども視点からするとNG対応だった…
対応のポイントを知っているか知らないかで、子どもとの関係は大きく変わってきます。

あわただしい朝に、すべてを完璧にやるのは難しいもの。

けれど
「できそうなところから、一つずつ試してみる」
それだけでも、子どもの様子は確実に変わっていくことでしょう。

👶0歳児(乳児期):分離不安のピーク

現れ方
言葉で気持ちを伝えられないため、泣いたり体をこわばらせたりして不安を表現します。親が視界から消えた瞬間に激しく泣きだし、抱っこを求めたり、腕の中から離れたくない様子が強く出ることがあります。

発達的背景
 生後7〜9ヶ月頃、脳が発達し「親がいなくなった=自分のいない別の場所にいる」と理解し始めます(ZERO TO THREE, 2021)。愛着対象の「不在」が恐怖になる時期で、これは正常な発達のサインです。なお、分離不安の強さや持続期間は子どもによって異なることが研究でも示されています(Battaglia et al., 2016)。そのため分離不安が最も強く出やすく、「親から離れること」そのものが恐怖になりやすいのです。

対応のヒント: 毎朝同じ「バイバイのルーティン(ぎゅっ→笑顔→バイバイ)」を繰り返しましょう。親が不安そうに離れる場面を引き延ばすことが、分離不安をかえって強めてしまいます。笑顔でスッキリと離れることが、子どもへの最大の安心になります。

MIMAポイント!
全ての年齢に言えることですが、0歳からでもおススメの方法があります!
それは、「短い言葉+理由をちゃんと説明する」ことです。

忙しい朝の時間、準備して離れるのだけで精いっぱい!
赤ちゃんは言葉を理解できないのでは……そう思った方も多いと思います。

実は、赤ちゃんはあなたの話をしっかり聴いています。
それは言語的な理解の側面だけではなく、
言葉に込めた感情や、相手の表情から、「言わんとすること(相手が伝えようとしている意味と内容)」
を必死に感じ取ろうとしているのです。

穏やかな声で、理由を話しかけることで
「この状況は、ピンチではなさそう。大丈夫なのかも。」と
心で納得し、少しずつ不安なく離れられるようなっていきます。

🧒1〜2歳児(幼児期初期):自我の芽生えと葛藤

現れ方
言葉が増え、自分の気持ちを表現できるようになります。「行きたくない」「いや!」と全力で泣き叫んだり、体を反らせて抵抗することがあります。真意ではない「おなか痛い」「先生イヤ」などの言葉で、一緒にいたい理由付けとして訴えることも。眠さや機嫌の良し悪しも、態度に直結しやすい時期です。

発達的背景
この時期は自我が芽生え、自己主張が強くなります(ZERO TO THREE, 2025)。自律心が育つ一方、まだ言葉で気持ちをうまく整理できず、「登園時間という強制的な切り替え」への抵抗が「イヤ!」として噴出し、登園時のぐずりとしても現れやすいのです。また、感情のコントロールがまだ未熟なため、自分で気持ちを切り替えるのがまだ難しいこともあります。

対応のヒント
「行きたくないんだね」とまず気持ちを丸ごと受け止めましょう。子どもの言葉をそのまま返す(おうむ返し)だけで「全部わかってくれた」と感じ、気持ちが落ち着いていきます。焦って説得しようとすると、不安はかえって増してしまいます。0歳児と一緒で、「バイバイのルーティン(ぎゅっ→笑顔→バイバイ)」後に、スッキリ笑顔で離れることが、気持ちの切り替わりやすさにもつながります。

👦3〜4歳児(幼児期後期):社会性の広がりと環境変化の不安

表れ方:言葉や理解力が発達し、集団生活にも興味を示す一方で、新しい環境や先生、つながり始めたお友達関係でうまくいかなかったことに対する不安を口にしたり、泣いたりして表現します。「まだママといたい」「今日は行きたくない」「○○ちゃんが嫌」など理由を話すこともあります。

発達的背景:社会性が育ち、集団行動への適応が求められる時期です。3歳頃は、それを理解しながらも環境の変化やスケジュールのなかで気持ちを切り替え、行動に移すことは難しい時期でもあります。一方、4歳になるにつれ少しずつ先の見通しが立ち、気持ちの切り替えも徐々にできるようになります。

対応のヒント:「時計が8(8時)になったら、行こうね!」など先のスケジュールを予告し心の準備をしておく。子どもの不安を受け止めつつ、「行ったら楽しいことが待っている」という期待感を少しずつ伝える。朝の声かけに加え、日常的に安心できる関わりを繰り返すことが、不安の軽減につながります。

👧 5歳児(年長期):自立への揺れと責任感

表れ方: 友達とのケンカや言葉でのすれ違いが起きやすいため、はっきりした理由を主張しながら「行きたくない」ということがあります。また「もうすぐ卒園」という時期を意識し、漠然とした不安から登園を渋ることがあります。

発達的背景: 将来への見通しを立てる力(前頭前野の発達)が育ち、「これからどうなるのか」を考えられるようになる時期(Graue et al., 2019)。そのため、「変化」に対する不安が登園渋りとして表れやすくなります。一方、本人寄りの理由や主張がまだ強いため、客観的観点からの主張ではなく一方的な思いや誤解からの発言も生まれやすい時期です。

対応のヒント: 友達とのケンカがあれば、子どもの話をよく聞いてみましょう。また、先生に様子を確認することで状況を正しくとらえることも大切です。卒園前の不安には「小学校に行ったら新しいお友達がまたできるよ」と未来への期待感を少しずつ伝えることで、子どもは安心して変化に向き合えるようになります。

💡子どもと笑顔でバイバイできる「親の心と行動のポイント」

1. 子どもの気持ちを受け止める

まずは子どもの気持ちをしっかりと受け止めましょう。

  • 「今日は行きたくないんだね」
  • 「不安だよね、わかるよ」

子どもの気持ちを言葉で表現してあげることで、子どもは自分の感情を認識し、安心感を得ることができます。

2. 親の気持ちも伝える

次に、親の気持ちを伝えましょう。

  • 「ママも一緒に行きたいけど、今日はお仕事があるんだ」
  • 「あなたが頑張っているのを感じたら、ママも頑張れそう」

親が自分の気持ちを素直に伝えることで、子どもは親の愛情を感じ、安心します。

3. 短いルーティーンを取り入れる

毎朝、短い儀式を取り入れることで、子どもは安心感を得られます。

  • 「おはようのハグ」
    子どもは大人の気持ちに同調します。元気で明るい声掛けは子どもの元気と明るさを引き出します。
  • 「バイバイの握手」
    両手を握り揺らしながら歌に合わせてバイバイするなど、「おきまりのフレーズ」は気持ちの切り替えにも有効です。
  • 「お気に入りの歌を一緒に歌う」
    登園前おひざにのせて歌ってから出発したり、園へ行くの道中で手をつなぎながら歌を一緒に歌い楽しい時間にするなど、ちょっとしたふれあいの時間が、その先の園生活を楽しみにするきっかけになります。

きまりのフレーズや儀式は、子どもにとって「安心の合図」となり、登園へのハードルを下げる効果があります。

4. 親の気持ちを整え、笑顔でバイバイする

親が落ち着いていると、子どもも安心します。

  • 朝は余裕を持って行動する
  • 焦らず、穏やかな声で話す
  • 子どものペースに合わせる

親が穏やかでいることで、子どもも安心して園に向かうことができます。

🧩 登園しぶりから笑顔の登園に変わった!実際の事例3つ

事例①:転園と進級が重なった子(母親の気持ちの切り替えが、子どもの気持ちの切り替えにつながった)

転園と進級が重なり、朝から寂しそうな息子。泣いたり離れないことはないけれど、母としては踏ん張るわが子に陰で涙。しかし、母の気持ちは、実は子どもに伝染することがほとんどと聞いていた。親の心配が強ければ、子どもも不安で落ち着かない気持ちになり、悪循環が生まれると。登園時の悲しそうなバイバイや子どもの気持ちを考えると親として辛い気持ちになりましたが、後ろを向いて私の涙を拭き、子どもには笑顔でさっぱりバイバイするように意識しました。「あなたはきっと大丈夫!」と信じてスッと元気なバイバイを繰り返していくと、子どももいつの間にか、1~2週間後には元気に登園できるようになりました。

事例②:遊びを取り入れた声かけ(一瞬の遊びが子どもを笑顔に変えた)

登園しぶりや、母子分離が難しい3歳のわが子と両手を握って「握手でバイバイ、また後で~!」と歌い、その後子どもの両手を持ったまま私の体を足でよじ登ってもらいます。登り切ったら、「よいしょ!」の掛け声で、でんぐり返し!この遊びをすると、初めは寂しそうでも、回転する時には、自然に笑顔になっています。

事例③:イヤイヤの受け止め方を変えた(気持ちの受け止め方の段階を踏むことで、子どもがスムーズに適応していくパターン)

イヤイヤとグズるわが子。始めは、子どもの気持ちをよく聞いたり、寄り添うことを意識しました。それが反って子どもの不安が増幅し、離れがたくなっていくことを感じました。その後、サラッと子どもの思いを受け止めながら、次には前向きな声かけや、園での遊びに期待が持てる話をするようにしました。すると、子どもはその楽しい雰囲気に安心して離れられるようになり、登園後もサッと遊びに入って行く姿が見られるように。帰宅後も笑顔で「きょう~したよ!」と遊んだことを話してくれるようになりました。

❓ よくある質問:FAQ

Q1: 登園渋りはいつまで続くの?
A1: 多くの場合、数日から数週間で落ち着きますが、個人差があります。長期化する場合は、園や専門機関に相談することをおすすめします。

Q2: 親が不安だと子どもに伝わるの?
A2: はい。親の不安や焦りは、子どもに伝わり、不安を増幅させることがあります。親が落ち着いて前向きな態度で接することが大切です。

🧡 まとめ

登園渋りは、子どもにとって自然な発達の一環です。親が子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることで、子どもは安心して登園することができます。親も子どもも笑顔で過ごせるよう、今日からできることを少しずつ一緒に始めてみましょう。

📚 参考文献

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保育士 MIMA

保育士歴19年×3児の母。福祉全般を学んだ学生時代は、子どもキャンプの運営やグループワークの実践、またボランティアで少年院から障害のある方まで幅広い人たちと交流。児童養護施設での勤務を経て、現在は保育園保育士として、日々子どもたちに向き合い続けています。「どんな人も輝く自分へ」その思いは今も変わりません。