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【幼児期】癇癪(かんしゃく)どうして?どうしたらいい?叩きたくなってしまった…対処法

はじめに

「また今日も、床に寝転んで泣き叫んでる…」
「何を言ってもイヤイヤばかりで、どうしたらいいの?」
そんなふうに、心がぐったりしてしまう日、ありませんか?

2歳ごろの癇癪(かんしゃく)は、実は発達にとって必要なことだったんです!

まずは、この発達段階に到達できた自分の子育てを誉めてあげましょう!
とはいっても、いざ目の前の激しい感情に向き合うのは、想像以上に大変ですよね。

この記事では

・どうして2歳頃は癇癪(かんしゃく)が起こりやすいの?
・どうかかわったらいいの?
・具体的アプローチ方法
・落ち着いていくための関わりのヒント
・もしも…叩きたくなってまったら、その時の回避術 など。
また、
・これっていつ終わるの?の「見通し」まで
やさしく丁寧にお伝えします。

なぜ2歳ごろに癇癪(かんしゃく)が増えるの?

2歳頃は、心と体、どちらもぐんぐん成長する「大きな変化の時期」なんです。

この時期の子どもに起きていること
・「自分で!」という強い自我が芽生えるところ
・まだ言葉で気持ちをうまく伝えられないことが多い
・脳の「感情をコントロールする部分(前頭前野)」が発達途中(未熟)である

つまり、やりたいことはヤルヤル!また、やりたくないことはイヤイヤ!と、

やりたい気持ちや、やりたくない気持ち、またうまくできないことなどを
うまく言葉で伝えられないフラストレーションが
癇癪(かんしゃく)という形で爆発してしまうのです。

ちょっと詳しく、発達の視点から言うと、

感情のブレーキ役である「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が、まだ発達途中で、
感情を生み出す「扁桃体(へんとうたい)」の活動が優位な時期なのです。
要するに、「感じる力」が先に育ち、「コントロールする力」が追いついていないという状態なんです。

実際、どれくらいの子が癇癪(かんしゃく)を起こしてるの?


実は、2~3歳の子どもの約90%近くが癇癪(かんしゃく)を起こすという調査結果もあります。
米国国立生物工学情報センター:NCBI
「うちの子だけ?」と感じてしまうかもしれませんが、たくさんの子どもたちが通る王道なんです!

対応のポイント  

癇癪が起きたとき、まず一番大事なのは、
親が「一緒にいるよ」「大丈夫だよ」と伝えること。

その時に、そばにいられればそばにいてもいいですし、
子どもが感情的に拒否するようであれば
一時、子どもから離れた場から見守ることもいいでしょう


もし、離れざるを得ない状況になっても、
”あなたのことを見守ているよ””見放してはいないからね”
というメッセージを残しましょう。

見放していない気持ちが、背中でも伝わるように
子どもから見える距離にいることも
子どもの変化を感じたり
次にアプローチできるきっかけをつかめるのでオススメです。

すぐにでも、無理にやめさせたり、
なだめたりしようとしなくても 大丈夫!

「怒ってもいいんだよ」「悲しかったんだね」と
気持ちに寄り添う言葉をかけてあげましょう。

具体的 アプローチ方法 4選

1 子どもの安全を確保し、見守りましょう

2 大人側が落ち着いたら、作戦を考えましょう

3 子どもが落ち着いたら抱きしめるなどスキンシップをとりましょう


4 子どもの気持ちを受け止め言葉にして返していきましょう

1 まずは、子どもの安全を確保し、見守りましょう

危険があれば、安全な場に移動してあげましょう
その時にも「ここは危ないね、ここならいいよ。」と
優しく声をかけながらだと気持ちも安心できます。

また、癇癪(かんしゃく)で気持ちが爆発している時すぐには
どんな言葉も入りません。

気持ちが少し落ち着くまで
または泣き声が少し弱まったり
泣きながらもちょっとした間ができるまで
見守っていて大丈夫

2 大人側が落ち着いたら、作戦を考えましょう

・深呼吸をしましょう

・泣きじゃくる子から、一度視線を外し、頭の中で整理しましょう
 「癇癪が始まったんだな」と自分に認識させ、心の準備をします。

・ゆっくり子どもの状況を観察して、声掛けのタイミングを待つ
「さて、何が言いたかったのかな?」
「ふん、ふん、何がやりたかったんだろう?」など。
・子どもの言っていることや
・癇癪が起きたきっかけ
・子どもの状況など
 ゆったり構えながら見守り、次のアプローチの作戦を練っていきましょう。

具体的な方法はコチラ➡️「いやいや期はこわくない!かかわり方のコツ~」
でも詳しく解説していますので、そちらも参考にしてくださいね。

3 子どもが少し落ち着いたら抱きしめるなどスキンシップをとりましょう

MIMAポイント!
大きな声で泣けている時は
できるだけ声をかけるなどの刺激はせず、とにかくそっと見守ります。

そんな時でも
ほっといているのではなく、実は大切なタイミングを見ています!

大切なタイミングって? 
それは、癇癪で泣き疲れたり、泣き声のトーンが少し落ち着いてきた瞬間
その瞬間、子どもに向かって優しい静かな声で
「おいで」と笑顔で両手を広げること。

そうやって、
子ども自身の選択で
癇癪から抜け出す力=癇癪を終わらせるタイミング
を用意すること
です。

この方法で、子ども自身が私の腕の中に飛び込んでくることが多いです。

時に、ちょぴり意地っ張りさんだと
こちらの目をじっと見て”素直に行けないな…”と訴えていることも。
そんな時は、わたしからそっと手を広げたまま少し近づいて、
(もうその時には子どもは脇を少し上げて抱っこされるのを待ていたりしますが)
「だっこしようか?」と笑顔で声をかけて、頷いたところでギュッと抱きしめてあげます。

状況や個人差もありますが
年齢が低いお子さん(1歳前後でまだ言葉が少ない頃)であれば、
大人側から早い段階で先に抱きしめることも有効な場合があります


その時々のお子さんの様子で抱きしめてあげましょう。

4 子どもの気持ちを受け止め言葉にして返していきましょう

「泣けちゃったね」
「怒れちゃったね」と
そのままの気持ちを受け止めたら、言葉で表現して返していきましょう


大人の言葉を聞きながら
子どもは自分の気持ちが何であるか?
感情と言語をつなげて考えられるようになってきます。


その段階になると
子どもも、こちらの話す声に”うん、うん”と頷いたり
反応してくれることが多いです。

MIMAポイント!
気持ちを受け止めた後にわたしがもう一つ!大切にしているいことがあります。
それは、その子の状況を一緒に言葉にしていくことです。

「○○がいやだったから、怒れちゃったんだね」
「どうしても○○したかったから、泣けちゃったんだね」と。

さらには、「いっぱい泣いて疲れちゃったよね」なんて話しながら、
うんうんと子どもがこちらの話に反応していれば
「○○ちゃんの気持ち教えてくれてありがとう!○○だったんだね。」
「先生、○○ちゃんの気持ち~だったんだなって、わかったからね!」
「がんばったね」など、

そのお子さんの状況ややり取りの中で分かったことを
子どもに向かって一つ一つ一緒に言語化していくことで
子どもにとっての気持ちの整理にも役立ちます

こうやって、気持ちと体を受け止めてもらえることで少しずつ自己調整力が育ちます
また、このようなかかわりの繰り返しの中で、強い癇癪から成長の中でちょっとした強い泣きレベルにトーンダウンしていきます。時に子ども自身が泣きながら「~やりたいから怒ってるの!!」と立派に自分の気持ちと感情をつなげて話せた時には私にとっても、その変化と成長がとても嬉しい瞬間でもあります。

止まらないときは?

癇癪が30分、1時間続くことも珍しくありません
そんなときは…

「この感情の嵐は必ず過ぎ去る」と心に言い聞かせて。
自分の気持ちを心穏やかに整えつつ、気長に待ちましょう。

子どもは、気持ちが爆発してしまう(癇癪を起す)たびに少しずつ感情の扱い方を学んでいます。そのことを思い出しましょう。

叩きたくなってしまったらどうしよう…


本当に、毎日向き合う親の方が限界を感じることって、ありますよね。

叩きたくなってしまったら~、
それは「あなたがダメな親だから」ではなく、
心がとても頑張りすぎているということ。
あなた自身が、助けを求めているサインです。

そのときにできること

①子どもから少し距離を取る

 まずは安全を確保し、子どもの安全が確保できていれば
 子どもと違う空間に大人側が移動しても大丈夫!です。
 


②水などを飲んだり、違うことをしてみる

子どもの癇癪があまりにも続いたり
理不尽に感じ怒れてしまう時は

水を飲みに行ったり何か甘いものを口に入れたり
ちょっとした音楽をスマホでかけてみたり~
(あくまでも自分のためなので…
 子どもの刺激になるようなやり方は避けましょう)


なんでもいいので、簡単な気分転換をはかりましょう

③「私もつらいんだよね」と自分に優しい言葉をかける

子どもの癇癪(かんしゃく)に付き合うことは、とても大変なことですし
私たちの体力も気力も思った以上に削がれてしまいます。


そうやって、子どもの感情に付き合おうとしていること自体、とてもステキなことなのです。
そんな、素敵な自分をしっかり誉めてくださいね


④誰かに話す

配偶者や両親、友達、今はSNSでの発信でもいいかもしれません。
安心して話せる場などで、ぜひ誰かに話してください
自分から思い切って話してみると
「うちも!」「我が家でも、こんな感じ~だったよ」と
案外同じ悩みを共有できることが多いです。

⑤さらにしんどい気持ちを浄化するため、気持ちを吐き出す

「ほんと、腹立ったった!」「あれは、しんどかったわ!」など
自分自身の感情をため込み過ぎることなく
その時の気持ちを出し、マイナスの感情を流していく
ことが大切です。

子育てに対してマイナスの感情を持ってしまうことへ罪悪感がある方は
気持ちをため込んだり、ストレスとしてため込み過ぎる傾向があるようです。
(実は、わたしも気持ちを出すことが得意ではないので…
そのような自分であることを意識するようにしています!)

MIMAポイント!
感情をだすとき、気をつけてほしいこと
「相手を強く誹謗中傷する言葉を吐き出すのは、違うよ」ということ。
そのような感情の出し方は、一時的にはスッキリすることもあります。しかし、後から「自分ってひどい親かも…」など思ってしまうことがあります。また後に、自分の気持ちがブーメランのように反ってきて自分自身の行動を必要以上に後悔したり必要以上に心が苦しくなることがあるからです。

気持ちの出し方のポイントは、
出来事そのままを話し思ったことそのままの気持ちを出すこと。

癇癪(かんしゃく)ってどのくらいで落ち着いていくの?

個人差もありますが

癇癪のピークは、2歳〜3歳半ごろ と言われています。

4歳ごろになると
感情のコントロールが少しずつできるようになってきますので、
癇癪の頻度も徐々に減っていくことが多いです。

5〜6歳ごろ になると
自分の気持ちを言葉で伝えられることが多くなってきます。

必ず「落ち着いていく時期」が来ます。
子どもによって、個人差はありますが焦らず、その子のペースに寄り添っていきましょう。

大人だって、さまざまな感情を抱いていいんです!
現実を知っているので、楽しい子育てばかりとは決して言いません!大人側も気持ちを上手に出しながらせめて大変な時でも、あなた自身が苦しくない子育てを目指しましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。