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【幼児期】1~2歳「かみつき」本当の理由と「かみつき」が減る!効果的対応法

突然の「かみつき!」どうしよう…

「お友だちをかんだと、連絡が…」
「おもちゃの取り合いで、弟にかみついてしまって…」

1~2歳頃の子どもに多く見られる「かみつき」は、多くの人が一度は直面する悩みのひとつです。

子どもが言葉で伝えられない時に、かみつきは起こります。
そして、かみつきが減るポイントは、言語化と代替方法の提示です。

このポイントを押さえることで、子どもにとって社会性や感情のコントロールを学ぶきっかけになります。

この記事では

・かみつきが起きやすい時期と、その心理的・発達的理由。その時の、子どもの本当の気持ちが分かります
・かみつきが起きたときの効果的な対応法を知り、社会性や感情コントロールの育ちにつながるかかわり方を学びましょう

何歳くらいに「かみつき」が多いの?

一般的に1歳〜2歳前半頃にかみつき行動が最も多く見られます。特に以下のようなタイミングで増える傾向があります。

  • 言葉での表現方法を知らなかったり、まだ言葉での表現が不十分な時期
  • 自我の芽生えが強くなり、”自分でやりたい””自分の思いを通したい”といった「イヤ!」が増える時期
  • 保育園など集団生活に入ったばかりで、他者との関係が初めてだったり、他者との距離感がつかみにくい時期

個人差はありますが、適切な対応があれば3歳頃には言葉でのやりとりが少しずつ増え、みつきは減っていく傾向にあります。

「かみつき」子どもの気持ち~発達・心理的理由~

1.言葉の未発達による「伝えられないストレス」

まだ語彙が少ない時期の子どもにとって、「取らないで!」「いやだ!」という気持ちを言葉で伝えるのは難しいことです。
怒り、悔しさ、関わりたい気持ちなどが言語で整理できず、身体的な手段の一つとして、衝動的にかむという形で表現することがあります。

2.感情コントロールが未熟

幼児期は、脳の前頭前野の発達がまだ未成熟であり、「がまんする」「怒りを調整する」といった力が育とうとする途中段階です。

3. 関わりたい・注目してほしい気持ち

「遊ぼう!」「見て見て!」というポジティブな動機から噛んでしまうこともあります。興味や愛情の表現として行動に出てしまう場合もあるのです。

「かみつき」大人ができる対応法 7ステップ

7ステップ

1.まず、すぐに止めましょう
2. 落ち着いたタイミングで話しましょう
3. 気持ちを代弁し、共感しましょう
4.「噛んじゃダメ!」だけではなく「こうしたらいいよ」「こう言おうね」など手段を知らせましょう
5.一緒に言ってみましょう
6. 最後は「できたね!」と、ほめましょう
7. 予防的な声かけを心がける

1. まず、すぐに止めましょう

「かまないよ」「しないね」と短い言葉で、かむこと自体を物理的に止めましょう。感情的に必死に怒らないのが、次の対応につなげるコツです。

MIMAポイント!
「いけないことだから、すぐにでも怒ることで止めなくちゃ!」その気持ちわかります。
でも、感情的な対応や怒りだけでは、子どもに「しまったな」「なんかダメなんだ…」という感覚は伝わりますが、「じゃあどうしたらいいの?」という解決方法や手立てが結局分からず、実は同じことを繰り返すお子さんが多いのです。
まずは、物理的に止める!次に、この後の対応にしっかりつなげていくことが、早く「かみつき」が減るコツなんです。
このことを気持ちに止めながら、次の対応方法を是非やってみてください!!

2. 落ち着いたタイミングで話しましょう

噛んだ直後は興奮状態にあります。まずは安全確保とクールダウンを。

3. 気持ちを代弁し、共感しましょう

その時の子どもの気持ちや、やりたかったことを確認していきましょう。言葉にすることが難しい子には、大人が状況をみて「このおもちゃがほしかったのかな?」などと質問しながら、子どもと言葉でコミュニケーションします。そのことを言葉にして子どもに返していきましょう。

こう伝えよう!

👆同じ目線になって話しかけましょう
・「どうしたかったのかな?」
・「〇〇が嫌だったのかな?」と、一緒に感情を整理する時間をつくりましょう。
➡️育つ力:感情の認識力・自己理解・自己調整力・対話力

MIMAポイント!
子どもに聞いていったけど、「分からない…」「質問しても確認しても、首を振るばかりで…」など、そんなときも大丈夫。
「理由が分かる」ことも大切ですが、もっともっと大切なことがあります!
わたしが困った時に、わたしを分かろうとしてくれる人がいる。」ということです。

言葉で応えることが難しくても、繰り返す中で子ども自身で状況や気持ちをいずれ伝えられる時が来ます。
今は、気持ちというものがあって、うまく出せなくて、伝えたいけれどやり方も分からなくて、そんな思いを受け止めることが重要な時期なのです。

4.「噛んじゃダメ!」だけではなく「こうしたらいいよ」「こう言おうね」など手段を知らせましょう

叱るだけでは、子どもには何がいけなかったのかが伝わりにくいもの。代わりの望ましい手立てを伝えていきましょう

こう伝えよう!

👆適切な言葉を伝えよう
・「かしてって言ってみようね」
・「イヤな時は“いや!”って言っていいんだよ」
➡️育つ力:言語表現・自己主張・感情の調整

5.一緒に言ってみましょう

こう伝えよう!

👆「真似る」ことで覚えてもらおう
「つぎからは、かして!って、いおうね」
➡️「じゃあ、一緒に言ってみよう」
➡️「せーの『かーしーて』(子どもも一緒に2人で)」
➡️「そうそう!いえたね!」(5の項目になります)…この時に(+笑顔で)嬉しそうに伝えると更に効果UP!

MIMAポイント!
「どう言えばよかったのか?」「どうしたらよかったのか?」を子どもに伝えること、ここはみなさんスムーズに伝えられることが多いと思います。では、伝えただけで子どもが次にできるか?というと、うまくいかないことが多いものです。たとえば、英会話でも教科書だけでは会話がうまくできるようにはならないですよね。子どもの言葉を育てるときも一緒なんです。「大人と一緒に言ってみる」⇨「こういえばいいんだ!」という経験の積み重ねが大切です。

6. 最後は「できたね!」と、ほめましょう

これこそが最重要ポイントです。(また、望ましくない他の行動に対してのアプローチにも有効なのでぜひ覚えておきましょう。)
大人と一緒に言えたり、できたときは、すぐにほめてあげましょう。

MIMAポイント!
「これでいいんだ!」「こうしたら、いいんだ!」「うまくできた!」そんな気持ちが、子どもの成長を力強く支えるエネルギーになります。
ダメなことが分かるより、そっか!こうしたらいいんだ!が分かる。それがこの対応なんです。
心配も多く、注意しなければいけないことばかり気持ちが向きやすいですが、こうやって日々子どもが変化していく姿、ちょっとした普段のステキな姿をほめていくことで、自信が持て、自己肯定感を高めていくことができるのです。

7. 予防的な声かけを心がける

普段大人と遊びながら、事前に伝えていくことも効果的です。
先に“どうしたらいいか”を伝えておくと、トラブルを防ぎやすくなります。

こう伝えよう!

👆子どもが機嫌のいい時に話しかけましょう👆
「もし貸してほしかったら、“かして”って言ってみようね」
「まだ貸したくない時は、“あとでね”って言おうね」
▶️育つ力: 言語表現力・感情のコントロール力・共感性・自己調整力

🌱 おわりに:かみつきも、子どもの成長のひとこま

噛みつきは、一見すると乱暴な行動に見えるかもしれません。
でもその心の中には、この人に「伝えたい」、お友達と「関わりたい」、この「思いをわかってほしい」という子どもなりのまっすぐな思いがあります。

大人ができることは、必死に叱ることばかりではありません。
本当に大切なのは、子どもの行動の背景にある「ことばにならない気持ち」を一緒に見つけ、気持ちに寄り添い、“伝える方法”を少しずつ伝えていくことです。そのかかわりが、きっと子どもに伝わっていく日が来ます。
かみつきという行動を、成長に欠かせない発達段階ととらえ、焦らず、繰り返し伝えていきましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。