《ようこそ》あなたが輝けば、子どもも輝く。日常のささやかな幸せを一緒につないでいきましょう。

《困った時に!》2025年最新:子育て支援ガイド~病時・夜間・発達などの困りを解決~

前回の記事では
「《いつでも使える!》子育て支援まとめ」として、児童館・子育て支援センター・ファミリーサポート(センター)などをご紹介しました。

でも、子育てをしていくと
「この子にどう関わったらいいんだろう…」
「ほかの子と違う気がするけれど、大丈夫?」
「この悩み、どこに相談したらいいの?」など
そんなふうに感じることがあるがもしれません。

そんな時、あなたの「困り」に手を差し伸べてくれる施設や制度が他にも沢山あります。
それが、発達支援センター、病児・病後児保育、一時預かり保育、24時間保育、子ども家庭センター、児童相談所などです。


この記事では

・全国にある「困ったときに誰でも利用できる公共の子育て支援施設」を分かりやすくご紹介します。
自分の病気時に子どもを預けられたり、発達の悩みを解決できたり、子育ての方法についての悩みに専門的にアドバイスしてくれる場所を知って、一人で抱え込まない子育てを一緒に取り組んでいきましょう。

※前回の記事は👉コチラ「《いつでも使える!》2025年最新:子育て支援ガイド~2026年開始「こども誰でも通園制度」についても徹底解説~」

全国にある子育て支援施設とサービス

全国の市区町村に設置(民間委託あり)されている、誰でも利用可能な施設をまとめました。
この中の施設でも、今回は特に困った時に頼れる場所(太線)をピックアップして解説します。

利用したい目的向いている施設・サービス
子どもを安心して遊ばせたい。(雨の日も遊びたい)子育て支援センター(0~3歳)
児童館・児童センター(0~18歳)
育児の相談をしたい子育て支援センター(0~3歳)
児童館・児童センター(0~18歳)
発達が気になる発達支援センター(0歳~18歳)
病気の子どもを預けたい病児・病後児保育(病気の回復期で集団生活を送れない生後数か月~小学生まで)※市区町村によって受け入れ年齢に違いあり
保護者の病気や出産、冠婚葬祭など、緊急的に保育が必要になった場合一時預かり保育※有償
⇨2026年「こども誰でも通園制度」へ(生後6ヶ月から3歳未満)
一部ですでに運営開始中。
24時間保育 ※一部の市区町村にあり。有償
子育てや生活に不安がある子ども家庭センター(妊娠出産前後~18歳、本人も)
※旧:子育て世代包括支援センター、名称が市区町村で違う場合も
お迎えの依頼、ちょっと子どもを預かってほしい、など日常のお手伝いファミリーサポート・センター
子育てに悩んだ時に、専門的アドバイスが欲しい児童相談所(0~18歳)

1. 発達支援センター

◆どんなところ?

「言葉が遅いのかな」「集団が苦手かも?」「こだわりが強くて心配」など
発達に関する不安を持つ保護者のための相談窓口
医療的診断ではなく、発達の視点から相談したり、子どもの特性を理解する支援を受けられます

◆どんなことができるの?

➡️個別の発達相談(無料)
個別にしっかり聞いてくれるため、時間予約制が多い。一度足を運んで、雰囲気を知ってから予約をお願いしても◎。

➡️保育園・幼稚園・学校・医療機関との連携し、子ども一人ひとりの成長に合わせた支援を調整していく
子どもの発達の特性や特徴、ハンディ(障害など)の有無や状況、またその成長を継続的に把握しながら援助や調整を行います。

➡️発達検査
必要に応じて、保護者の同意のもと、発達検査を実施。現在とこれからの、子どもの理解・援助につなげます。

➡️専門機関・医療機関への紹介
相談内容や子どもの姿から必要な場合には、より専門的な支援のために適切な医療機関を紹介します。

➡️保護者向けの勉強会や講座
専門知識が得られることで、考え方やかかわり方のヒントを得て、子どもとのより良い関係づくりの一歩につなげます。

➡️通所支援(療育)につながる窓口
専門知識を持った療育施設案内など、子どもの望ましい成長機会の提案をします。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 保育士
  • 臨床心理士、公認心理師
  • 保健師
  • 社会福祉士   など専門職がチームで関わります

◆全国にあるの?

都道府県・市区町村に1か所以上設置されています。
名称は「発達相談センター」「子ども発達支援センター」「児童発達支援センター」などさまざま。
お住いの市区町村にお問い合わせください。

2. 病児・病後児保育

◆どんなところ?

病気の回復期や、まだ保育園に登園できない体調の子どもを一時的に預かってくれる施設
看護師や保育士が常駐し、医師と連携して体調管理を行うのが特徴です。

◆どんなことができるの?

➡️病気中(軽度)や病気回復期の子どもを安心して預けられる
仕事の都合やどうしても外せない予定があるときに、医師の意見書をもとに1日~必要な時間に預かってもらえます。
(預かり基準は、その施設や設備によって違うため、市区町村または施設まで直接ご確認下さい)

➡️看護師による健康チェック
食事、薬、体温などの管理が行われ、無理のない保育環境で過ごせます。

➡️少人数で静かな保育環境
絵本やおもちゃなど、刺激の少ない遊びを中心に、体を休めながらゆったり過ごせるよう配慮されています。

➡️預けるにあたって準備物が多い場合があります
預けるにあたっては、シーツや昼食(体調に合わせた食事)など利用者が個別に用意するものが多いことも。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 保育士
  • 看護師(常駐または巡回)
  • 医師(嘱託や連携先の小児科)

◆全国にあるの?

各市区町村に設置が進められており、保育園・医療機関併設・専用施設など形態はさまざま。
自治体により利用条件(登録制・助成の有無)や対象年齢が異なります。
事前登録が必要な場合が多いため、早めの確認がおすすめです。

いざとなった時にスムーズに利用するため、事前に(子どもが健康な時に)利用手順や利用するにあたっての準備物など情報収集しておきましょう。

3. 一時預かり保育

◆どんなところ?

保育園や認定こども園などに併設されている、「一時的に子どもを預かってもらえるサービス
保護者のリフレッシュ、通院、冠婚葬祭、就労準備などの理由で、数時間〜1日単位で利用できます。

◆どんなことができるの?

➡️短時間・短期間だけ子どもを預けられる
在宅育児中の保護者も利用可能です。

➡️利用理由を問わず利用OK(自治体により異なる)
「ちょっと一人になりたい」「買い物に集中したい」など、リフレッシュ目的でも使える自治体も多くなっています。

➡️定員制・事前予約制が多い
安全に配慮し、1日の定員や予約受付のタイミングが決まっているため、計画的に利用するのがおすすめです。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 保育士(園の保育士が担当)
  • 園によっては看護師・支援員がサポートすることも

◆全国にあるの?

すべての市区町村で実施が推進されています。
保育園、こども園、地域型保育事業所などで実施されています。
「リフレッシュ型」「緊急型」「非定型就労型」など、利用目的に応じた枠の違いがある場合もあります。
お住いの市区町村にお問い合わせください。

4. 24時間保育

◆どんなところ?

保護者の働き方や生活スタイルに対応する「夜間・深夜帯も対応した保育施設」
看護師・介護職・サービス業など、夜間や不規則な勤務がある家庭を支える目的で設置されています。

◆どんなことができるの?

➡️夜間や深夜の保育が可能
夕方〜翌朝まで、施設によっては24時間体制で子どもを預かってもらえる場合もあります。

➡️宿泊を伴う保育もOK
仕事で夜遅くなるときや、夜勤のときにも対応。安心して働くことができます。

➡️日中保育との併用も
保育園と一体になっている施設もあり、日中と夜間を連続して預けられるケースも。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 保育士(夜間保育に特化したスキルを持つ職員)
  • 看護師(体調不良の見守りや医療的ケアが必要な場合も対応)
  • 調理員(夕食・朝食の提供がある施設も)

◆全国にあるの?

都市部を中心に設置されているものの、すべての地域にはないのが現状です。
利用したい場合は、市区町村の窓口や、認可外保育施設の中から夜間対応の園を探してみましょう。


5. 子ども家庭センター

◆どんなところ?

地域のすべての妊産婦・子育て家庭に対する支援、総合相談窓口
妊娠出産前後~18歳、また子ども本人からの相談もできます。
育児の悩みから、虐待・経済的困窮・発達やしつけの困難など、さまざまな課題をひとつの窓口で受け止めて対応する機関です。
(※名称は「子ども家庭総合支援拠点」「家庭児童相談室」「こども家庭センター」「子育て相談」など自治体により異なります)

◆どんなことができるの?

➡️育児の悩み、子どもとの関わり、家庭での困難などを相談
「叱りすぎてしまう」「子どもが学校に行きたがらない」などの悩みに専門職が寄り添って支援してくれます。

➡️必要に応じて関係機関と連携・支援プランを調整
児童相談所や発達支援センター、保健師などと連携して、家庭の状況に合った支援へとつなげてくれます。

➡️継続的に伴走支援をしてくれる場合も
一度の相談ではなく、定期的な面談や訪問支援があることも。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 社会福祉士、公認心理師
  • 保育士、保健師など
  • 児童福祉司と連携していることもあります

◆全国にあるの?

すべての市区町村に設置が進められています。
名称は「家庭児童相談室」「子ども家庭支援センター」「子ども家庭総合支援拠点」など
自治体により異なるため、お住いの市区町村にお問い合わせください。

6.児童相談所

◆どんなところ?

0歳〜18歳未満の子どもに関するあらゆる問題を扱う公的な相談機関
子どもの養育やしつけ、発達の悩み、家庭内トラブル、虐待に関する相談など、幅広く対応しています。
また、児童福祉司や児童心理司、医師などの専門職が高度な問題についてもチームで対応
必要に応じて子どもや家庭への支援、必要な場合は一時保護も行います。

◆どんなことができるの?

➡️ 子どもの育ちやしつけ、発達の悩みを相談できる
「子どもが言うことを聞かない」「落ち着きがない」「育てにくい気がする」など、親が抱える不安を気軽に相談できます。

➡️ 子どもへの虐待の疑いがある場合の通報・相談
身体的・精神的・性的虐待、ネグレクトなどが疑われる場合、匿名でも通報可能です。早期発見・支援の窓口となります。

➡️ 保護者が育てられない事情があるときの相談
育児放棄や親の病気・離婚などで養育が難しいとき、一時保護や里親制度、施設入所などの支援を検討できます。

➡️ 子ども自身からの相談もOK
「家に居場所がない」「つらいことがある」といった悩みも直接受け付けており、秘密も守られます。

◆どんな職員さんがいるの?

  • 児童福祉司(福祉の専門職/ケース対応)
  • 児童心理司(心理検査・面談などを実施)
  • 医師(必要に応じて診断や健康面のサポート)
  • 弁護士・家庭相談員など(連携によって支援体制を強化)

◆全国にあるの?

全国の都道府県・政令指定都市に約210ヵ所設置されています。
対応するエリアの**児童相談所に自動的につながる共通ダイヤル「189(いちはやく)」**が便利です。
📞 189にかけるだけで、最寄りの児童相談所に自動転送されます。
※通話料無料・匿名可

🔗 詳細はコチラ👉(こども家庭庁)「児童相談所「189」について
必ずしも「保護される」「介入される」わけではなく、「話すだけ」「アドバイスだけ」でもOKです!

おわりに:いざという時のために、知っておこう!

子育て中は
「誰かにちょっと助けてほしい」
「相談できる場所が知りたい」
「子どもとずっと一緒だと、しんどい」と感じることが少なくありません。

でも、いざ困った時に探し始めるのでは、気持ちにも時間にも余裕がなくなってしまうもの。

今回ご紹介したような地域の子育て支援の仕組みや情報を知っておくことで、必要な時にスムーズに頼れます。また「自分だけじゃない」と心が軽くなることで、日々の子育てにも気持ちの余裕が生まれます。

子どもと向き合う中で、悩んだり迷ったり怒ったり悲しんだりするのは、それだけあなたが真剣に子育てに向き合っている証です。
「わたしが頑張らなきゃ…」と、ひとりで抱え込まなくても大丈夫。
ときには、地域の支援や専門家の力をかりながら、お子さんの未来のために、そして何よりあなた自身の笑顔のために
一緒に子育ての道を歩んでいきましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。