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【学童期】小学5~6年生に多い友達トラブルとは?発達に合わせたサポート方法

思春期の入り口で揺れ動く人間関係

小学校高学年になると、子どもは少しずつ大人びてきて、自分の世界を大切にし始め、いよいよ思春期の入り口に差し掛かります。

一見落ち着いて見える時期ですが
「今まで仲良しだったのに、突然口をきかなくなった」
「グループで無視された」
「SNSで悪口を書かれていた」など
友達との関係では目に見えづらいトラブルや、心の中の葛藤を抱えやすくなるのもこの頃です。
このようなトラブルに戸惑う保護者の方も多いのではないでしょうか。

この時期の友達との関係は、より複雑で繊細。
でもその背景には、子どもたちの心の成長や葛藤があり、大人にとってもサポートの仕方が変わる大切なタイミングです。

この記事では

・5〜6年生の発達的特徴や起きやすいトラブル、それが起こる発達的理由について解説します。
・発達段階を踏まえたサポート方法を知ることで、対等な会話ができる大人との絆も深める機会になるでしよう。

この時期の発達のポイント

5〜6年生は、思考力や客観性が発達し、「自分と他者の違い」を深く理解し始める時期です。

  • 自分の考えや感情を整理して伝える力が育ちつつあります
  • 周囲との“距離感”“グループの中の自分”を意識するようになります
  • 思春期の入り口で、親への反発や自己主張が強まることもあります
  • SNSなどの影響で、直接的でないトラブル(陰口・既読スルーなど)も起こりやすくなります

    心の成長が大きく進む反面、内面の不安や葛藤も増えやすい繊細な時期です。

5~6年生に起こりやすいトラブルとその背景

1. 無視・陰口・グループからの排除

:「最近、あの子たちがしゃべってくれない」「LINEのグループから外された」

自分の安心できる特定のグループに居心地よさを感じる一方で、ちょっとしたことが原因でその所属が危ぶまれることもあります。

背景

・高学年になると、自分の立場や評価が気になる一方で、自信のなさや不安から相手を遠ざけたり排除する行動に出ることがある
・対話で関係を築く力が未熟なため、「距離を置く=自分を守る手段」として使ってしまう

2. マウンティング・悪口・比較

:「テスト悪かったくせに生意気」「○○ちゃんの方がかわいい」

自己肯定感が安定しない中で、誰かを下げることで自分を保とうとする「マウンティング」悪口などの行動が見られることも。

背景

・「自分は自分」と考え始めるので、そのために周りや相手との比較も増え、周りと自分が気になる時期
・他者との比較の中で自分の存在価値を見出そうとする傾向も強まる

3. SNSやオンライン上でのトラブル

:「LINEで悪口を言われた」「グループ通話に呼ばれなかった」

自分の行動や言葉の感覚と相手の感覚との違いから、軽い冗談のつもりでも、相手にとっては深く傷つくことがあり、トラブルにつながるケースも増えています。

背景

・SNSやチャットアプリを使いこなせるように見えても、言葉の重みや相手の気持ちを想像する力はまだ発展途上
・気軽に発信できること(=どんな感情でも簡単に発信できること)から、他者の想いをあまり想像せず発信し、誤解されたり、傷付けたり、深刻なトラブルにつながることも

子どものトラブル!大人にできるサポート方法

① 感情を受け止め、分析を助ける

「悲しかったんだね」「何がつらかった?」と感情に寄り添いながら、事実と主観を分けるサポートを。

▶️「相手はこういうつもりだったかも?」「何が引き金になったと思う?」

②価値観の違いを知る機会に

トラブルを「誰が悪い」ではなく、「どんな考え方の違いがあったのか」を話し合うことが、成熟した関係性を築く基礎になります。

▶️「〇〇ちゃんは、こういう正しさを大事にしてたのかもね」「責める気持ちではなく、違う意見を伝えたかっただけかも」

③「大人も迷う」姿勢を見せる

「それは大変だったね。でも私もどうしたらいいか迷うな…」「一緒に考えようか?」と伝えることで、子どもに誰でも迷いながら生きていることや、「悩んでもいいんだ」と思わせる安心感を届けます

④ 第三者のサポートを視野に

問題が深刻化しそうなときは、担任やスクールカウンセラー、発達センターへの相談、民間の電話相談など、子ども自身が信頼できる大人に相談する選択肢も大切です。

▶️「どうしたら、あなたが安心できるようになるかな?」「違う人(専門家など)にも聞いてもらおうか?」

🍀終わりに:人との違いを受け止める力を、今ここから

5〜6年生の時期のトラブルは、「自分ってどんな存在か?」「相手にどう表現したら伝わるのか?」など、社会性を育む大切な経験です。
この時期のトラブルは、一見つらく苦しいものに思えますが、そこには人間関係の核心を学ぶ大きなチャンスが隠されています。

子どもが悩み、立ち止まり、また歩き出す。そのプロセスを、大人が「答えを与える」のではなく、隣で「一緒に考え」「寄り添う」姿勢で見守ることが、何よりの支えになります。
今はまだ未熟でも、トラブルを通して子どもたちは確実に「人とつながる力」を育てています。その成長の瞬間に寄り添えることが、私たち大人にできる最高の応援なのかもしれません。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。