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【学童期】小学1~2年生に多い友達トラブルとは?発達に合わせたサポート方法

小学校に入学し、重いランドセルを背負って登校するわが子を、少し心配しながら見送ったあの春。
少しずつ慣れてきたかな…と思った頃に聞こえてきた「友達とケンカしちゃった」「仲間に入れてもらえなかった」の声に、戸惑った経験はありませんか?

1〜2年生は、保育園や幼稚園とは違い、自分たちで関係を築き始める“はじめての友達付き合い”の時期です。
けれどその分トラブルも起こりやすく、親の目が届かない場面で子どもが困っていることも少なくありません。

このようなトラブルを糧に、この時期は、子どもが「人とつながる力」を育てる大切な土台づくりの時期とも言えるのです。

この記事では

・小学1~2年生の頃に起きやすいトラブルと、それが起こる発達的理由について解説します。
・発達段階を踏まえたサポート方法を知ることで、子どもの社会性を育む土台を一緒に育てていきましょう。

この時期の発達の特徴

小学1〜2年生の時期は、「友達と一緒にいることが楽しい!」時期です。
この時期の子どもたちは、まだ自分の視点中心で物事を捉えがちですが、友達とのやりとりを通して、「一緒に遊ぶ楽しさ」や「関わる心地よさ」を感じ始める大切な時期です。
遊びの中でルールや順番を覚えたり、自分とは違う気持ちがあることを少しずつ学んでいきます。ただし、感情のコントロールや相手への共感はまだ未熟で、誤解やちょっとしたケンカも多く見られます。

発達上のポイント

  • 社会が広がり、多くの人に関わる
    クラスメート・近所・学童など、今まで以上に多くの子と関わる環境になります。
  • 感情のコントロールはまだ未熟
    思ったことをすぐに口にしたり、相手の意図をくみ取れないこともまだ多いです。
  • 自己中心性が残る
    発達的にはまだ「自分の視点中心」で物事をとらえ、行動しやすい時期です。

これらの特徴は、友達とのつながりを築く上でトラブルの種になることもありますが、裏を返せば関係性を学ぶ入り口に立っているとも言えます。

1~2年生に起こりやすいトラブルって? 

1. おもちゃや持ち物をめぐるトラブル

「貸したのに返してくれない!」「かしてって言ってないのに勝手に使った!」など、所有や順番をめぐるトラブルがよく見られます。

背景

・この時期の子どもにとって「貸す・借りる」のルールはまだ曖昧です
・自分の感情優先で動いてしまうことも多かったり、夢中になって借りたことを忘れ使ってしまうなど、「悪気は無いけれど…」といったトラブルも多くみられます。

2.ちょっとした言い合い・ケンカ

ちょっとしたすれ違いが原因で、「もう遊ばない!」「◯◯ちゃんなんかキライ!」といった言葉を発し、感情的なケンカにつながることがあります。

背景

・自分の想いが伝わらなかったり、思うようにならない時に
・深刻なものというより、一時的な感情の爆発による瞬間的な対立が多いのが特徴です。しかしながら、中には気持ちを引きずって違うトラブルにつながることも。

3. 仲間外れやすれ違いによる誤解

本人は悪気なく言ったことでも、相手が傷ついてしまったり、「◯◯ちゃんが遊んでくれなかった」と感じたり…。

背景

・子ども同士、まだ言語表現が未熟だったり、自分の気持ちをと相手の気持ちの調整力が育つ途中のため、トラブルに発展することもあります。

子どものトラブル!大人にできるサポート法

1. まずは丁寧に話を聴きましょう

「どうしてそんなことになったの?」ではなく、「どう感じた?」「どんなことがあったの?」と感情に寄り添う聞き方を心がけましょう。
子どもは話しながら、自分の気持ちに気づいていきます。

2. 子どもの気持ちを代弁しましょう

まだ言葉にするのが難しい年齢だからこそ、「本当は遊びたかったのかな」「貸すのはイヤだったけど、どう言えばいいかわからなかったのかな」など、子どもの気持ちを大人が言語化してあげることが大切です。

3. シンプルなルールを共に考えましょう

抽象的なアドバイスよりも、「“かして”って言っていいよ」「“次に貸してね”って伝えようね」と具体的な行動と、かかわり方を伝えるのが効果的です。
遊びの場でも、「交代で使おう」「順番カードを作ろう」など、目に見える工夫を取り入れてみましょう。

MIMAポイント!
今まで、さまざまなトラブルに接してきましたが、ほとんどの子どものトラブルは、仲が悪いから起こることではありません。むしろ、仲が良いからこそ、また関係が近いからこそ起こることがほとんどです。
ですからここで、皆さんにお願いがあります。

子どもの話を聞いて共感する姿勢は大切ですが、トラブル相手を子どもと一緒になって一方的に責めることはやめましょう。
小さな出来事にすぐに親が出ていくことでどうにか解決しようとするのも、反って関係がこじれる原因なので極力避けましょう。
(👉しかし、いじめにつながりそうな心配や、学校での出来事など、どうしても状況がつかめず解決できない困りがあるときは、遠慮なく先生に確認していいと思います。)

わが子が見ている世界があるように、相手にも相手から見た世界があります。そのどちらからみた視点が客観的に正しいのか?は分からないことも多いものです。

(例)「悪口をいわれた!」と怒っている一方で、いつも嫌なことを言ってしまっていた側は相手ではなく自分だった…という場面に出会ったこともあります。

大切なのは、トラブルを通して
・どうしたら子ども自身の力で乗り越え、相手と理解し合えるのか?
・これからどうしていったらトラブルが起こらないのか?
を一緒に考え学んでいくことが、子ども自身の対人スキルを伸ばし、これから生きていくうえでの土台になっていくのです。

おわりに

1〜2年生のトラブルの多くは、大人から見れば「些細なこと」も多いかもしれませんが、子どもにとっては大切な学びの瞬間です。
その経験をどう受け止めるかによって、人との関わり方の土台が大きく変わっていきます。

「困っている時に、わかってくれる大人がいる」
そんな安心感があれば、子どもは自分なりに人とのつながりを育てていけます。
今、目の前にあるトラブルは、わが子の社会性を育てるチャンスです!
焦らず、じっくり話を聞きながら一緒に乗り越えていきましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。