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【全年齢】子どもが「ごめんね」と言えない理由と年齢別「心を育てる」関わり方

2025年8月20日

2人がそっぽを向く姿の真ん中で、どうしようか悩む人。

子どもが悪いことをしたとき、
親としては「ちゃんと謝ってほしい」と思うもの。
でも、無理に言わせても逆効果になることがあります。

実は、謝る力は性格やしつけの問題ではなく、
心の発達段階に沿った自然な成長プロセスです。

この記事では

・乳児期から思春期までの「謝れない背景」を整理
・年齢ごとの関わり方や育まれる力
を発達心理の視点を交え、保育士が解説します。

※各年齢別の詳しい関わり方は、別記事で順次紹介していきます。

子どもが「ごめんね」を言えない背景

子どもが謝るためには、以下の能力が必要です。

  • 相手の気持ちを想像する力(共感力)
  • 自分の感情を整理してコントロールする力(自己調整力)
  • 言葉や行動で気持ちを表す力(自己表現力)

年齢や発達段階によって、まだ十分に育っていないことがあるため、謝れないことがあります。
親ができるのは「無理に言わせる」ことではなく、「体験を通して心を育てる」ことです。

年齢別に見る「謝れない理由」と「関わり方」のヒント

乳児期(0~1歳)

🔹謝れない理由
・さわる、なめる、たたくなど、「五感で知ろう」とする行動が中心で、「いい/悪い」の基準がまだない
・「謝る」という言葉や概念を理解できる段階ではない
・「自己欲求」や「快・不快」が中心で、相手の気持ちを推測する力は未発達

関わり方のヒント
・子どもが安心して探索できる空間や安全な環境を整える
・優しい声かけやスキンシップで「安心感」と「信頼関係」を育む
・トラブルが起こる前に、危険や取り合いを減らす工夫(配置の工夫、代替案を示す)で、安全を確保する
・トラブル時は「びっくりしたね」「いやだったね」など、短い言葉で子どもの気持ちを代弁する

幼児期(2~6歳)

🔹謝れない理由
・自分の気持ちが強く、言葉より感情が先に出る
・「悪いことをした」と理解する力がまだ弱い
・「ごめん」が自分の負けだと感じて抵抗する

関わり方のヒント
・遊びや日常で「ごめん」「ありがとう」を自然に経験できる場をつくる
・「気持ち」を言葉にするサポートをする(「今、貸したくなかったんだよね」など)
・自分にも気持ちがあるように、相手にも気持ちがあることを学ぶ機会を持つ
・無理に謝らせるよりも、気持ちを整理した後に伝えられるタイミングを待つ

学童期(7~12歳)

🔹謝れない理由
・プライドや友達関係を気にする気持ちが強くなる
・謝る=自分の非を全面的に認めること、と感じやすい
・失敗を叱られるのが怖くて口を閉ざす

関わり方のヒント
・「悪い子」と決めず、「行動」に焦点を当てて伝える
・状況や気持ちを言語化し、一緒に整理していく
・「謝ることは関係をよくする第一歩だよ」と意味を整理してあげる
・親が謝る姿を見せることで「謝っても大丈夫」という安心感を育む

思春期(13歳~)

🔹謝れない理由
・自分の立場や意見を強く主張したい時期
・謝罪が「親や先生に従うこと」と感じて反発する
・本心を言葉にするのが恥ずかしく、防衛的になる

関わり方のヒント
・頭ごなしに「謝りなさい」と言わず、まず気持ちを聴く
・「言葉」だけでなく行動で気持ちを表すことも一つの方法と伝える
・親が「あなたを信じているよ」という姿勢を見せることで、自分から謝れる力を後押しする

まとめ:焦らず、子どもと一緒に体験を重ねましょう

人が育つには、たくさんの経験と失敗を繰り返すことが必要です。
うまくいかなくても、トラブルが起きても、
寄り添う大人がいることで、子どもは乗り越える方法を学んでいきます。

謝る力も、年齢や経験とともに少しずつ育ちます。
無理に言わせるのではなく、安心して謝れる体験を一緒に重ねたり、大人が謝る姿を見せることで、「謝ることは信頼を築く一歩」だと理解していきます。

子どもが「まだ謝れない」のには意味があります。
焦らず発達のステップを理解し、寄り添いながら関わることが、心の成長につながります。
今日も一緒に、子どもの心を支えていきましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。