🍼赤ちゃんが寝ないのは昼夜の区別がつかないからです
新生児期(生後0〜1ヶ月)の赤ちゃんに
「どうして寝てくれないの?」
「何が足りないの?」
と悩んだり、毎日心が折れそうになる瞬間がありますよね。
それは、赤ちゃんが安心できていないからでも、お母さんのやり方が間違っているからでもありません。
この時期の赤ちゃんは、まだ「眠る力」そのものが育ち始めたばかり。 外界に出たばかりの“脳と感覚”が急速に発達し始めたことで、うまく眠れない状態にあるのです。
🧠新生児期の睡眠~体内時計のスタートライン~
🔸1日の睡眠時間は 約16〜20時間です
でも、1〜3時間おきに目を覚ますのが普通です。
昼夜の区別はまだありません。
🔸睡眠の質はとても浅い
新生児の睡眠の50%~60%が「レム睡眠(浅い眠り)」と言われています。
これは大人の2倍以上であり、脳の発達にとっては欠かせない時間です。
レム睡眠によって、神経回路を形成・強化し、自律神経の調整と成長を促し、視覚・聴覚・触覚の刺激に対して反応を示し、「記憶の整理」だけでなく、感覚のつなぎ直し作業(感覚統合のトレーニング)がされているともいわれています。
📖出典:de Grootらオランダの研究グループ(👉Nature, 2024)
「Sleep as a driver of pre- and postnatal brain developmen(出生前および出生後の脳の発達を促進する睡眠)」
「どうして寝ないの?」~新生児期の背景~
① 体内時計がスタート!まだ練習中です
胎内から出てきたばかりの赤ちゃんは「昼と夜の違い」がまだわかっていません。
体内時計は、毎日の昼と夜を繰り返していく中で、生後6〜10週以降から少しずつ形づくられていきます。
② 感覚の世界に圧倒されている
光や音、温度、におい…外の世界は新生児にとって強烈な刺激になります。
胎内の刺激が少ない環境から外の世界に出てきて、慣れていないため不快・不安で泣けることが多くなります。
🌿新生児:睡眠を整える3つのヒント
✅ 1. 昼と夜の“ちがい”を体験させよう
- 昼:カーテンを開けて自然光を入れましょう
- 夜:照明を暗く、静かに過ごしましょう
📖出典:「乳児における概日リズムの発達」 NIH(米国立衛生研究所)より(リブキース,2003)
MIMAポイント!
ここでいう昼夜の”ちがい”は、体験したからといってすぐに、わかっていくものではありません。
あくまでも経験を重ねる時期であり、「昼夜がわからなくて当然!」「うまく寝られなくて当たり前!」としてとらえていきましょう。
✅ 2. 繰り返しの安心をつくろう
- 沐浴→授乳→音楽→「おやすみ」の声など、毎日決まった流れで眠りに誘いましょう
- 決まったパターンが続くことで、赤ちゃんに「安心感」が育ちます
📖参考:「生後2年間の就寝時間、就寝前の習慣、そして子供の睡眠」NIHより(バーバラ.H、キャロリー.Sら, 2021)
✅ 3. 赤ちゃんと一緒に“休みましょう”
赤ちゃんのペースに合わせて、昼間に一緒に横になる時間を確保しましょう。
なぜなら、赤ちゃんの「安心を育てる育児」とは、”一緒に休む”ことだからです。
MIMAポイント!
この時期に大切なのは、赤ちゃんのペースに合わせる伴走者がそばにいることです。
家事が気になったり、いろいろ考えたりで、寝たくても寝られない!そんな時が多いと思います。
できる限り赤ちゃんといっしょに休むことは=「赤ちゃんのペースに寄り添う育児を実践している」ということです。
わたしの後悔になりますが:「赤ちゃんが生まれた!よし必死になってがんばろう!!」そう気合を入れたものの、家事などやり切れず、うまく両立できない育児にイライラ…。そんなにいろいろがんばらなくてもよかったな…と今になって思います。ちょっとした家事を後回しにしたり、ネットスーパーを活用したり、時に総菜を購入し時間をつくるなど、家事より何より「この時期に一番大切な赤ちゃんとの時間をゆったり過ごすため」ゆとりを生むためにできることを最大限利用したらよかったな~と思ったのでした。
🌼あなたは「眠りを育てるパートナー」
あなたが毎日、眠い目をこすりながら、泣き止まない赤ちゃんを抱っこしているその時間は──
赤ちゃんにとって、「安心」と「信頼」を少しずつ積み重ねている貴重な時間です。
赤ちゃんの睡眠は、今日・明日ですぐに整うものではありません。
けれど、“寝ない”ことにも理由があり、赤ちゃんに寄り添えた分、そこには確かな「成長のあしあと」がのこります。
新生児期の子育て、毎日ホントにおつかれさまです。
かわいい赤ちゃんも、がんばり屋のあなたも、眠れる日々に向かって確かに歩んでいっています。
焦らず、ゆっくり子どもの眠りを育てていきましょう。