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赤ちゃん

【赤ちゃんの眠り:2〜4ヶ月編】「寝たと思ったのに…」眠りが整わないのはなぜ?~睡眠を整える4つのヒント~

2025年7月8日

生後2〜4ヶ月の赤ちゃんを育てる中で、
「やっと少し寝てくれるようになった!」と感じたのもつかの間、
またすぐに夜泣きや短時間の覚醒が続く…。

そんな“寝たり寝なかったり”の繰り返しに、不安や疲れがたまっていませんか?

この時期の赤ちゃんの眠りには、
実は【まとまりの兆し】と【乱れ】の両方が同時に存在します。
その背景には、体内時計の形成脳・感覚の発達といった、
健やかな成長のサインが隠れていました(※1)。

この記事では

・なぜ2〜4ヶ月の赤ちゃんの睡眠が安定しないのか?【発達の視点から解説】
・睡眠を整えるために、親ができる【具体的な関わり方】
を、保育士の実践的アドバイスを交えながら、わかりやすく解説します。

2〜4ヶ月の睡眠〜昼夜リズムが育ち始める時期〜

🔸1日の睡眠時間は 約14〜17時間です

新生児期より2~3時間短くなります。(※2)

昼夜の差が少しずつ現れてきます。
夜間に2〜4時間まとまって眠ることも増えますが、まだ安定はしません。

🔸睡眠の質はまだ浅いです

夜泣き
寝ぐずり
短時間での覚醒

これらが頻繁に起こります。
リズムが育ち始めたとはいえ、日々の眠りはまだ整いきらず、
「まとまりそうでまとまらない」のが自然な姿です。

なぜ眠りが安定しない?3つの発達的な理由

① 栄養摂取のため

2〜4ヶ月の赤ちゃんはまだ体が小さく
成長に必要な栄養をこまめに摂取する必要があります。

夜間授乳も空腹を満たすための本能的な目覚めともいわれています。
そのため、夜間も数時間おきに目を覚まし、授乳を求めるのはごく自然なことです。

② 昼夜リズムの“育ち始め”

生後6週を過ぎた頃から、体内時計(概日リズム)の軸が少しずつ形成され始めます。(※3)


このリズムは時間をかけ自然と整っていくもので、
生活の中の「光・音・食事」などの刺激を日々繰り返すことによって、
“眠りの型”が少しずつ育っていく段階なのです。まだ不安定で当然です。

③ 感覚の世界の広がり

音・光・触覚」など、外の刺激に対する反応が急激に高まるのがこの時期。(※1)


・興奮して眠れない
・少しの刺激で覚醒する 
のも、感覚が発達している証拠です。

さらに、研究では
乳児期のレム睡眠は、神経回路の再構築感覚刺激の処理に深く関わる」とも報告されています。

MIMAポイント!
【感覚の発達が急速に進む時期です】
この時期は、外界からの刺激に対する反応が強く、たとえば光の加減や物音に敏感に反応したり、抱っこの仕方や服の肌ざわりによって泣くこともあります。感覚が育ち、世界を“感じる力”が高まってきているからこそ、過敏さや興奮が睡眠に影響を与えやすくなります。
【うちの子だけ、みんなと違う!?は当然なんです】
生まれながらの気質によっても、眠りの安定性や刺激への感受性も異なることが研究でも明らかにされてきました。「うちの子だけできる!」「うちの子は、まだできない…」と思う気持ちはよく分かりますが、でも一人一人の顔や体が違うように、眠りの育ちもその子の感覚も違っていいのです。「その子なりの育ち」を信じて、寄り添っていきたいですね。

🌿睡眠の整え方:4つのヒント(2〜4ヶ月ver.)

✅ 1. 昼と夜の「違い」を毎日繰り返す

日中の感覚刺激は、赤ちゃんの情緒や身体の発達を支えるだけでなく、
「夜の深い眠り」を促す働きがあるといわれています。

特に朝〜午後早い時間帯の外出や遊びは、
赤ちゃんだけでなく大人のメラトニン分泌のリズムづくりにも役立つという報告があります(※4)。

☀️日中
声かけを増やしましょう
赤ちゃんの目を見て話しかけたり、お母さんの歌を聞かせたりするのもいいでしょう。繰り返す中で、赤ちゃんが自分に向かて話しかけられていることを実感し、その反応として手足を動かしたり、表情や喃語で返してくれることが増えてくるでしょう。
近くてOK!ちょっとお散歩へ行きましょう
首が座らない頃を脱したら、そろそろ外の様々な音や光、自然の香りなど、さまざまなまな感覚に触れていく経験をしましょう。また、昼間のそのようなよい刺激が、心地いい疲労となり夜の睡眠が充実しやすくなるでしょう。

🌛
夜間の授乳やおむつ替えには、最小限の照明を
赤ちゃんの目はまだ発達途中ですが、明るい光には反応します。
夜間は豆電球や間接照明などの弱い光で十分です。また、青白いLEDより、暖色系の光(オレンジ色っぽい光)がおすすめです。暗く静かな時間を意識し、スマホの光や音も控えめにするといいでしょう。

MIMAポイント!
ちょっとしたお散歩は、お母さんの気持ちの安定にも効果的です!
お散歩で軽い運動をし、おひさまの光を感じ、外の空気や景色に触れていくと、いい気分転換になります。私も、赤ちゃんを産む前は車で通り過ぎていたご近所が、赤ちゃんとの散歩で新しい発見がたくさんありました。道端の小さなタンポポが寄り添う姿や、たくさんの葉が風に揺れ葉音を気持ちよさそうに青い空に向かって鳴らす音などに、感動したのを覚えています。一つ一つの発見を分かち合うことで、「赤ちゃんにはじめての世界を見せてあげられた!」と嬉しかったことも、いい思い出の一つです。

✅ 2. 就寝前ルーティンを「同じ流れ」で

「同じ時間・同じ順番」で繰り返すことで、
赤ちゃんの脳が「寝る時間だ」と理解します。

「就寝ルーティンは情緒の安定と夜間覚醒の軽減に有効」とされています(※5)。
泣いても流れは崩さないことで徐々に「寝る前の合図」として定着します。

新生児時期に引き続き
【例】お風呂➡️授乳➡️音楽や子守歌➡️「おやすみ」と声かけ➡️抱っこ ➡️そっと布団へ など
毎日決まった流れで眠りに誘いましょう。

✅ 3. 親が“休める隙間”を意識しましょう

親が休めているかどうかが、赤ちゃんの眠りにも影響します。

赤ちゃんと暮らす生活は、どうしても「休憩なしの24時間営業」のようになりがちです。
赤ちゃんの睡眠を育てるには、伴走者である親の休息がとても大切です。
赤ちゃんにとって完璧なリズムを探すことより、あなた自身の回復を大切にしてください。

・「お昼寝の間に少し横になる」
・「朝はご飯の後、10分寝る」
・「お休みの日には、少し一人の時間をもらう」など

小さな休息が、気持ちをリフレッシュするのに効果的です。
身近な人に、この休息の必要性と理由をしっかり理解してもらいましょう。

✅ 4.赤ちゃんの個性を楽しみましょう

それぞれの赤ちゃんには固有のリズムや反応があり
同じ方法でも合う・合わないがあります。


だからこそ、あなたの観察と工夫“その子らしい眠り”を育てていく土台になります。
上手く行かないことも、きっとたくさんあると思います。
工夫したり考えたりする自分を褒めながら、成功だけでなく上手くいかない過程も楽しんでいきましょう。

より添う気持ちが“眠る力”を育てます

「寝たと思ったのにすぐ起きる」
「前より、寝ぐずりが増えてきた」


そんな毎日に、「わたしのやり方、間違ってるのかな」
と感じることもあるかもしれません。

でも、その生活のゆらぎは
赤ちゃんの感覚がしっかり育ってきて
生活リズムを今まさに整えようとしている証拠
です。

そして、その成長に毎日より添っているあなたの存在こそが
赤ちゃんにとっての“眠りを育てる力”になっています。

今日も、赤ちゃんのお世話、本当におつかれさまです。

整いそうで整わない
まとまりそうでまとまらないのが
この時期の赤ちゃんの睡眠と生活の特徴です。

赤ちゃんの生活リズムがゆっくり育っていくために
まずお母さん自身の休息が、赤ちゃんの気持ちの安定につながることを
あなたの周りの人にもしっかり理解してもらいましょう。

1人でがんばらなくても、大丈夫!

あなたの体をしっかり労わりながら
赤ちゃんとの生活をゆっくり焦らず、一緒に進んでいきましょう。

📖出典
※1 デ・グルート, E.R. 他(2024)
出生前および出生後の脳の発達を促進する睡眠
 Pediatric Research, Nature Publishing Group
※2 デ・ウェールト, A.W. & ファン・デン・ボッシェ, R.A.(2003)
生後数か月間の睡眠の発達
Sleep Medicine Reviews, 第7巻第3号, pp.253–270
※3 リブキーズ, S.A.(2003)
乳児における概日リズムの発達
Hormone Research(ホルモン研究誌)第59巻・補足1号, pp.24–27
※4 ブルーム, C./ガルバッツァ, C./シュピッチャン, M.(2019)
光がヒトの概日リズム、睡眠、気分に与える影響
Somnologie(睡眠学雑誌), 第23巻第3号, pp.147–156
※5 マインデル, J.A. 他(2009)
毎晩の就寝ルーティン:幼児の睡眠と母親の気分への影響
『Sleep』誌 Vol. 32(5), pp.599-606.Sleep Research Society

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。