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思春期

【思春期】知ってるようで知らない「思春期とは?」変化する「心と体の発達」と「子どもの本音」

2025年5月4日

はじめに

「最近、なんだか反抗的だな…」
「急に距離を取るようになった」
そんなふうに感じたら~
もしかしたらお子さんは“思春期の入り口”にいるのかもしれません。

思春期は
心も体も大きく揺れ動く、人生の中でも特に変化の大きい時期です


わけもなくイライラしたり、自分でも気持ちの整理ができなかったり…
そんな状態に、こちらも「どう関わればいいの?」と、戸惑いますよね。

この記事では

思春期の子どもによく見られる行動と
その背景にある理由について

やさしく丁寧に解説します。
また、文献ではなかなか感じられない
子ども自身の本音(想い)にも、ふれていきます。

「どうしてこうなるの?」という疑問のヒントになったり、少しでも関係づくりの手助けになれば嬉しいです。

思春期っていつから?

思春期の入り口は、ある日突然やってくるように感じます。

実は思春期の始まりは個人差が大きく
一般的には【10歳〜14歳頃】に始まるとされています。
厚生労働省の調査(「21世紀出生児縦断調査」)で、
思春期心理の特徴の1つである「親より友達と過ごす時間を大切にしたい」と感じる子どもが、小学校高学年で約6割にのぼるというデータもあります。

思春期は身体だけでなく「親との心理的な距離」も生まれる時期
子どもにとっては“自分らしさ”を模索し始める大事なステップなのです。

心の不安定さは、体と脳が原因です!

「言ってることが毎日ちがう!」
「急にキレるのはなんで?」
そんな子どもの情緒不安定な姿に、親は戸惑うことも多いですよね。

この時期、子どもの体の中では、ホルモンが急増しています。
特に「テストステロン(男性ホルモン)」や「エストロゲン(女性ホルモン)」の変化により
感情をコントロールする前頭前野の働きが一時的に不安定になります。

また、脳科学の研究によると
前頭前野(思考・判断を担う部位)は25歳頃まで発達が続くとされており
思春期の子どもは、“感情”が先に爆発し
“理性”が追いつかない状態になりがちなのです。

子ども自身も「どうしてイライラするのかわからない…」と
困ったり、悩んでいる
ことを知ってほしいと思います。

思春期によく見られる子どもの行動と本音

思春期の子どもに見られる行動はさまざまですが
代表的なものとしては以下があります。


それぞれの行動の裏にある子どもの本音(想い)

そっけない返事 
➡️自分は大丈夫だから、ほっといてほしい。
➡️不安はあるが、自分のことは自分で決めたい。

・親との会話が減る 
➡️何を言っても、自分の気持ちはどうせわからないだろう。
➡️黙っている方が楽。

自室にこもる 
➡️自分の時間を大切にしたい。
➡️今はだれとも関わりたくない。
➡️誰かに関わるのは気を使うし、疲れる。

学校や友達関係への不安 
➡️親にはわからないだろうな。
➡️情けないと思われたくない。
➡️自分で何とかしなきゃ。 

自分の見た目を気にし始める 
➡️みんなが自分を見ていると感じる。
➡️変だと思われたくない。

無気力・反抗・言葉が荒くなる など 
➡️なんだか分からないがイラつく。
➡️自分の気持ちをコントロールできず苦しい。
➡️うまく言えない、相談なんてできない。
➡️大人と同じと思わないでほしい。
➡️でも子ども扱いはイヤ。

MIMAポイント!
子ども自身も、そんな行動したくないのに…、なぜかイライラが止まらない…など
自分ではどうしようもなく困っているから、少しでも落ち着くために黙ったり、一人になったり、突き放したり、
身近に甘えられる親だからこそ、そのような行動を安心して出せる部分もあることを知ってくださいね。

どんな子も思春期は「不安」ですし、実は「わかってほしい」と思っています。

かかわり方のコツ 3選

この時期の子どもには、「指示や正論」よりも、「見守りと尊重」がカギになります。

  1. 無理に聞き出そうとせず、「いつでも話せるよ」という姿勢を見せる
  2. 一時イライラした態度だったとしても、後に何でもなかったかのように話しかける
  3. ダメなことには毅然と注意。感情を責めず「どうしたかったのか?」を聴き、一緒に考える

MIMAポイント!
親も不安になりますが、「信じて待つ力」が必要な時期でもあります。
わが家でも「話しかけたら、スルー…」「声をかけただけで”チェッ”となぜか疎まれる…」
なんてことは、日常よくあります。
そんな時は、あまり気にせず一旦その場を離れるようにしています。
それでもふとした瞬間には、会話ができることも多いものです。

思春期の時こそ大切な親の視点

「もう!この態度イライラする!」「もしかして、親が必要ないのかな…」と
不安に思うかもしれません。
でも実は、そんな時でも子どもは親の姿をよく見たり、感じています。

自分は、どう受け止められているか?
愛されているか?
心配されているか?
そんな思いを抱えながら、心の揺らぎに向き合っているのです。


そうやってがんばる子どもに、いつもと変わらぬ態度とあたたかい声掛けで
安心感を伝えていってほしいと思います。

大人が揺れない軸を持ち、変わらぬ態度とあたたかな気持ちで接することで
子どもも自分の気持ちに向き合いやすくなります。

「うまくいかない日もあるけれど、私はあなたの味方だよ」
その心構えが、子どもにとって何より支えになることもあるのです。

子どもを信じて!一緒にあたたかく見守っていきましょう。

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    保育士 MIMA

    大学で福祉全般を学び、児童指導員や保育士歴18年目、3児の母。 学生時代からキャンプの運営やグループワークを実践し、ボランティア活動では、障害のある方や少年院で生活する子どもたちなど、大人から子どもまで幅広い人たちと交流。失敗を重ねながらも『一人ひとりが輝くために大切なこと』を学び、実践。”ベテラン風新人”をコンセプトに、学ぶ姿勢を持ち続けたい!と、現在も保育園保育士として子どもたちに向き合い続けています。